InDesign CS6で追加された新しい機能の注目の1つがリキッドレイアウト、代替レイアウトです。この機能は、ひとことで言うとWebにある、ページ幅に合わせて画像の大きさやテキストの幅が変化するリキッドレイアウトの仕組みをInDesignに持ち込んだようなものです。
また同様に、テキストフレームの段数が段幅に合わせて自動的に変わる機能も追加されています。これもウインドウ幅に合わせて、ページの段数が変わったり、レイアウトが変わるWebのレスポンシブレイアウトの考えを採り入れたものといえます。
紙媒体向けでページサイズが変わることはめったにありませんから、複数のスクリーンサイズや、縦横表示を考慮する必要があるADPS向けの機能といえます。
リキッドレイアウトとテキストフレームの可変幅機能
画像が入ったフレームの大きさを上下左右のページ端からの距離を基準にしたり、ガイドラインを使用してページの大きさが変わった時に、ページレイアウトが崩れることなくページの大きさにフィットします。
この機能は紙媒体向けでは使われる事は少ないと思います。ですが、同じグラフィックやテキストを使って違う媒体サイズを作る場合もあります。複数の媒体への出稿が必要な広告製作や、掲示場所によってサイズがまちまちなバナー、ポスターなどをイベントサイン製作には利用できそうです。
実際に作業を行う際にはページにレイアウトしたフレームを選択し新しく追加された「リキッドレイアウト」パネル上でページルールや画像をフィットさせるか、縦横のサイズ変更、基準位置を指定します。画像をフレームサイズが変わっても自動的にフィットするように変形する機能は、フレーム調整オプションとしてCS5で追加された機能です。

また新しくテキストフレームに対して段組を可変させる機能が付きました。これによりテキストフレームの幅が増えた場合には、設定した基準の段幅を超えると、自動的に段数が増える仕組みになります。
とは言っても勝手に段数が変わってしまうので、印刷向けの場合にはオフにしておくほうがよいでしょう。また段幅を固定する「固定幅」、段数を固定する「固定値」も選べます。

代替レイアウト
代替(だいたい)レイアウトは、現在のページを元に新しいサイズのページを作成します。1つのページに対して複数の代替レイアウトを作成できます。たとえばiPadの縦サイズに対して横サイズを作成したり、他のAndroid向けタブレットサイズを作成することもできます。電子デバイス向けだけでなく、A4縦とB5縦、A4横と縦のような組み合わせも作れます。
画像フレーム、テキストフレームは、元のフレームに対してリンク状態を保つため、親フレームのテキストを修正すれば、代替レイアウト上のテキストフレームを更新すると新しい内容に変わります。更新された場合には、リンクパネルにも表示されます。

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