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【コラム】InDesignで作るADPSとEPUBのジレンマー第1回「ADPSとはなにか」

Columntitle●ADPSとはなにか
今回から書籍内では書けなかったInDesignと電子書籍を取り巻く現状をみたコラムを不定期で掲載していきます。第1回は、Adobe Digital Publishing Suite、略してADPSのサービスを取り巻く環境についてです。

まず、2010年にベータ版としてAdobe Digital Publishing Suiteが発表され、その後色々な言葉が登場、サービスの内容が変わるなど、混同してしまう方も多いでしょう。まず、ここで整理しておきたいと思います。

まず、大きく2つの事をまず認識しておきましょう。
1)「Folio Producer tools」はInDesign CS5/CS5.5を使ったiPad用インタラクティブコンテンツを制作するためのツール群で、デザインを行う人のためのもの。

2)ADPSとは年額料金を支払うことで、FolioをiOSやAndroid向けのアプリ化して販売を行うパブリッシャー、出版社などのためのサービスを指します。

つまり、いくらがんばってFolio Producer toolsで素晴らしいコンテンツを作っても、年額料金を支払わなければ流通させることはできないのです。これが重要です。
ただし門戸が閉められているわけではありません。ADPSは法人でも個人でも契約可能です。サービススタートは7月末ですが、販社からのパッケージ販売を考えているという担当者の方の話も聞きました。

●ADPSの費用と印刷費を比べる
では、個人でそれに見合った費用を捻出できるでしょうか。
例えば、自費出版と比べてどうでしょうか。自費出版や印刷請負を行ってる会社にもさまざまありますが、いくつかオンラインで見積りが計算できる会社で行ってみたところフルカラー50ページ500部で作ろうとすると50万前後はかかります。

ADPSを利用する上で最近発表された利用料金設定は、最低年額60万円。この契約を行うことでiOS、Android OS向けのアプリを作ることができます。
5,000Folioのダウンロード数込みという事も明示されていますが、これは継続して販売される雑誌などをアプリ内で追加販売するものを対象としており、アプリ単体の作成を申請するには特に追加コストは掛からないと聞いています。
またSiteCatalystというアドビが買収したOmmunitureの技術を使い、ダウンロード数やページ閲覧の解析が細かく収集・分析され、人気が一目瞭然でわかるというデジタルならではの魅力でもあります。

●新しい出版社を興せる可能性
年額60万円を月あたりに計算してみると月5万円、もしコンテンツを持つグループが10人集まれば1人あたり月5,000円の出費でミニ出版社を興せることになります。

これを高いと見るか安いと見るかは、コンテンツホルダーの力量次第であり、さきほど上げた自費出版の印刷費用と比べたり、流通ルートやコスト、販売価格などを総合的に見る必要があるでしょう。

たとえば、App Storeでアプリを100円で販売するとしたら、販売価格のうち7割が手元に入ることを考慮し、グループ全体の収入が70円x月1,000アプリ程度販売できれば年単位で840,000円、ADPSの費用に対して赤字にならない計算です。

またApp Storeではアプリの認可審査があり申請したアプリが登録されない場合もありますが、Android Marketは、より自由な世界観を持っており、提供したいコンテンツをそのまま販売できる可能性があります。日本国内ではiPadの事例のみ紹介されていますが、USでは実際にADPSを使ってAndroid Marketでアプリを販売開始している例が見受けられます。今後Android市場が拡大していけば、ADPS販売ルートの分母が増えるわけです。

どこからか突っ込みが入らなければ、次回はFolioとは何かについて掲載する予定です。

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コメント

本日Adobe Content Viewer for iPadの修正版が出て、やっとiPadで自前のFolioをダウンロード出来るようになりましたね。
いよいよ本格稼働間近といったかんじですが、ADPSもしかりWoodWingなどもイニシャルコストが高いような気がします
出版社からすると、まだ売上の見込みがないものになかなかゴーサインがでないよう感があります。
そして、financial timesのようなwebアプリ方式が今後どうなるのか気になりますね。
ワンソース・マルチユースを考えると、InDesignで紙・タブレット・web(html5)と作れればいいんですが…
InDesignCS5.5では、まだhtml5の書き出しは無理ですよね?
ダウンロードの従量課金制だと、webアプリの観点からもhtml5の書き出しはしばらくでないですかね?
DreamWaver経由ならいけますかね?(当方webの知識ゼロ)

長文失礼しました

投稿: ぷらっちっく | 2011年6月28日 (火) 12時17分

コメントありがとうございます!

やっとAdobe Content Viewerの1.8.0がリリースされましたね。温めておいたFolio Producer tools 1.1.0がようやくインストールできます。

書かれていたWoodWing初耳でした。拝見させていただきましたが、面白いですね。ADPSと同様の機能を持つプラグインツールがどんどん出てくれば、導入価格も下がるはずなので今後に期待したいです。

InDesign CS5.5ではEPUB同様HTMLの書き出しも改善はされていますが、まだまだ乏しいし難しいのでDrewamweaverで再構築したほうが良いですね。今度はEPUBもHTML5が吸収していき、リーダーではなくブラウザが進化するのではないかと思ってます。ここらへんまたコラムで書いてみますね。

投稿: higuchi | 2011年6月29日 (水) 02時43分

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